花粉症の歴史を調べると19世紀の農夫の話に行き当たります。イギリスで干し草を束ねていた農夫が発作のようなくしゃみに襲われたことがはじまりと伝えられており、その後、1819年に「枯草病」と報告され、さらに研究が進み、1873年にはイネ科牧草の花粉アレルギーであると判明しています。
では、日本ではどのように発見されたのでしょう? まず、戦後、アメリカ進駐軍が持ち込んだブタクサによるアレルギーの反応が1961年に見つかっています。1964年になると斉藤洋三氏が「栃木県日光地方におけるスギ花粉症Japanese Cedar Pollinosisの発見」という論文を発表し、徐々にスギ花粉にも注目が集まりはじめました。
しかし、当時はまだ患者数も少なく、急激に増加してきたのは1980年代に入ってからです。
この有り難くない大ブームは、戦後の高度経済成長期に全国に植林されたスギの木が30〜40年ほどかけて成長してきたことに大きく関係しています。論文発表の頃には、花粉症ブームがくることはすでに予想されていたかもしれません。
スギが植林後、約40年ほどで成木になり、花粉を飛散しはじめることは周知の事実。花粉は風にのって200km以上も運ばれます。
戦後、順調に復興し舗装された道路が増える都市部では、まず地面に吸収されることなくフワフワと舞い上がり続けるであろう。つまり、花粉症患者数の増加に拍車をかける…というように。しかし、現実はさらに予想以上で、全国各地の「招かれざるお客さま」となり、国民病、現代病と呼ばれるまで猛威をふるうようになりました。
こうして、現在では春先になるとシーズン到来!などと騒がれるくらいすっかりお馴染みとなってきたのです。
ちなみに、スギやヒノキ、シラカンバのように風にのって花粉を運ぶ植物を風媒花、バラやウメなどのように虫が花粉を運ぶ植物は虫媒花と呼びます。風媒花は虫媒花に比べ、一度に多量の花粉を遠くまで運ぶという特徴もあります。
スコヤカアドバイザー(看護師)