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| 伊那谷屈指の蕎麦の名店であり、遥々と関東圏や中京圏から蕎麦通らがめざす存在、それが「丸富」です。同店は今から10年ほど前に、養命酒のふるさと長野県駒ヶ根市にお店を構えました。中央アルプスの麓、清らかな空気と水に恵まれる同地と蕎麦との結び目について店主の宮島秀幸さんに伺いました。 |

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駒ヶ根の自然が息づく無二の蕎麦 『丸富』編 その4 |
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編集部:前回は「山の分校のような」という、丸富さんのお店のイメージをかなえるまでのエピソードをお聞きしました。
宮島さん:この店を手がけた設計士を紹介してくれた方がおりまして、当時その方が設計士に伝えたことのひとつに「宮島さんの建物は、意匠無き意匠」だと。
当時はそれを聞いて面白い視点だなと思ったものです。デザインではないデザインって矛盾していますよね。でも、その言葉はいまでも私の人生のなかで生きていて、しっかりと脈を打っています。いたずらにデザインを求めようとはしないけれど、世界がちゃんとあること、そんな解釈を私自身はしています。
編集部:おしまいに、宮島さんの現在の心に響く出会いや出来事などがあればお教えください。
宮島さん:修業先である栃木県「足利一茶庵」の片倉康雄氏からは『無為』というものを学びました。毎日を白紙の心境で臨むことですね。 また、素材は手を出しすぎては、せっかくのいのちが削られていくものですが、それもまた「無為」の心で処すべきものとして、私の蕎麦づくりに生かされています。
また、私に詩作を勧めてくれた先生からは『偶然』について教えていただきました。先生によると「偶然というものは高いところから降りてきて、あなたの潜在能力に声をかける。その時、あなたが何かをひらめくことができれば、そのひらめきが次の偶然に結びつく」と。偶然とは、どうも絶えず連動しているもののようなのです。
振り返ってみると、自分でも予期しない、計画もしていないことに、自分のなかで何かが弾けることがある。この偶然に対する意識は、蕎麦を打つ心にも響いていますし、偶然がもたらす循環をこれからも大切にしていきたいと思っています。
編集部:ありがとうございました。
編集後記)
長野県上村下栗の玄そばとの出会い、駒ヶ根高原の空気、水、光、風土、そして行き交う人々との出会い、すべては『偶然』の連鎖であり、手にした確かな『実り』は宮島さんがそのひらめきで呼応した結果なのだろう。
幸せな偶然がもたらす宮島さんの蕎麦づくりに、これからも期待せずにはいられない。
蕎麦とお酒 野のもの料理 丸富
電話:0265-83-3809
長野県駒ヶ根市赤穂23-180
[営業]11:30〜15:00 (L.O.売り切れ仕舞にすることあり) 火曜日休み
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